Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほかではないが、この武蔵の処分だ。わしが三日のうちに捕えて来なかったら、わしが首を縊り、もし捕えて来たら武蔵の身はわしの処分にまかせると、池田侯の御家来と約束した」

「それは聞いておりましただ」

「だが、さて……どうしたものじゃろうな。本人はこの通り、ここへ召捕って来たが、殺したものか、それとも、生かして放してやったものか?」

「滅相な――」

人々は、一致して叫んだ。

「殺してしまうに限る。こんな恐ろしい人間、生かしておいたとて、何になろうぞ、村の祟りになるだけじゃ」

「ふム……」

沢庵が何かを考えているのをもどかしがって、

「ぶち殺せっ」

と、うしろの人達はわめいた。

すると、その図に乗って、ひとりの老婆が、前へ出て、武蔵の顔をにらみつけながら側へ寄って行った、本位田家のお杉隠居であった、手に持っていた桑の枝を振りあげて、

「ただ殺したぐらいで腹が癒えようか。――この憎ていな頬ゲタめ!」

と、二ツ三ツ打ちすえて、

「沢庵どの」

と、今度は彼のほうへ喰ってかかるような眼を向けた。

「なんじゃ、おばば」

「わしの伜、又八はこやつのために生涯を過り、本位田家は大事な跡とりを失うたのじゃ」