Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

断乎とした色を示した。

どじょう髯は、自分の一身にかかわるところと、躍起になって、

「沢庵どの、貴公には、お上より約束の金子をとらせるであろう。武蔵の身は此方へ申しうける」

聞くと、沢庵はおかしげに、からからと哄笑した。答えもせず、笑ってばかりいた。

どじょう髯は、真っ蒼になって、

「ぶッ、ぶ礼な。何がおかしい」

「どちらが無礼か。これ、お髯どの。おぬしはこの沢庵との約束を反古にする気か。よろしい、反古にしてみい、その代り、沢庵の捕えたこの武蔵は、今すぐ、縄目を解いて、押っ放すぞ」

村の人々は、驚いて、逃げ腰を退いた。

「よいか!」

「…………」

「縄を解いておぬしへケシかけよう。おぬしはここで武蔵と一騎打ちして、勝手に召捕るがいい」

「あっ、待て待て」

「なんじゃ」

「折角、召捕ったもの、縄目を解いて、また騒動を起すにもおよぶまい。……では、武蔵を斬ることはまかせるが、首は、此方へ渡すであろうな」

「首を? ……冗戯ではない、葬式は坊主のつとめ。おぬしに、死骸をまかせては、寺の商売が立ちゆかぬ」

子供あしらいである。沢庵は、揶揄して、また村の人々へ向き直っていた。