Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
七
「あんまりです! 沢庵さん! いくら何でも、先刻から聞いていれば、抵抗のできない者へ酷すぎます。……あ、あなたは僧侶じゃありませんか。しかも武蔵さんのいう通り、武蔵さんはあなたを信じて、争わずに、縛めをうけたのではありませんか」
「これはしたり、同士打ちか」
「無慈悲ですっ。……わたしは、今のようなことをあなたがいうと、あなたが嫌になってしまいます。殺すものなら、武蔵さんも覚悟のこと、いさぎよく殺してあげてはどうですか」
お通は、血相を変えて、喰ってかかった。
七
激しやすい処女の感情は、青じろい権まくを顔にもって、涙まじりに、あいての胸へしがみついて行った。
「うるさい」
沢庵は、いつになく怖い顔して、
「女などが知ったことか。黙っておれっ」
と、叱った。
「いいえ! いいえ!」
つよく顔を振りながら、お通も、いつものお通でなかった。
「わたしにも、このことについては、口を出す権利があります。いたどりの牧へ行って、私も、三日三晩、努めたのですから」
「いかん! 武蔵の処分は、誰がなんといおうと、この沢庵がする」
「ですから、斬るものなら、斬ったがよいではありませんか。