Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

……ただこのまま放免は相成るまい。……しかしこの先の処分は、お汝まかせじゃ」

「愚僧も、そのつもりでおざる」

「で、いかがいたそうか」

「武蔵に、窮命をさせる」

「窮命の法は」

「この白鷺城のお天守に、変化が出るという噂のある開かずの間があるはずで」

「ある」

「今もって、開かずの間でおざろうか」

「むりに開けてみることもなし、家臣どもも嫌がっておるので、そのままらしい」

「徳川随一の剛の者、勝入斎輝政どののお住居に、明りの入らぬ間が一つでもあることは、威信にかかわると思われぬか」

「そんなことは考えてみたことがない」

「いや、領下の民は、そういうところにも、領主の威信を考えます。それへ明りを入れましょう」

「ふむ」

「お天守のその一間を拝借し、愚僧が勘弁のなるまで、武蔵に幽閉を申しつけるのでおざる。――武蔵左様心得ろ」

と、申し渡した。

「ははは。よかろう」

輝政は、笑っている。

いつか七宝寺で、どじょう髯の青木丹左へ向って、沢庵のいったことばは、嘘ではなかった。輝政と沢庵とは禅の友であった。

「後で、茶室へ来ぬか」

「また、下手茶でござるか」

「ばかを申せ、近頃はずっと上達。