Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
そして当然、かれも持つ本能の相のまま、なやみ、もがき、猛り泣いて、かかる人間宿命を、一箇の剣に具象し、その修羅道から救われるべき「道」をさがし求めた生命の記録が彼であったのだ。ということには、たれも異論はないと思う。
人間個々が、未生からすでに宿してきた性慾、肉体の解決という課題が、文学の大事ならば、同列の人間宿命といいうる闘争本能の根体を究明してゆくことも、大きな課題といってよい。
主題の人間武蔵は、まちがいなく、その本能苦と闘ったものである。この無限にさえ見える宿命苦をふくめた宇宙が彼の住みかであり、一本の針にもたらないその剣は、かれの心の形象にすぎない。かれが求めた闘争即菩提――闘争即是道の道にすぎない。
影響を私はおそれる。影響に私は臆病である。私は、道学者じゃないが、それに思いおよぶと、細心になってしまう。
かりそめの一小説も、ときには、読者の生涯を左右する。
自分の書くものが、文学であり得る、文学でなくなる、そんな問題よりずっと上に、読者への影響いかんがまず位置している。それが自分の文学態度だといえるほどに。
もとより初めから興味中心でかいたものには、私とてそんなにまで決して潔癖でもないが、この書には特に、煩いがちなのである。