Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

どんと、胸いたを突く。

あっと一方は、杯や皿のうえに手をついて、

「やったな」

「やったとも」

先輩の祇園と植田の二人は、あわてて、

「こら野暮をするな」

双方を、もぎはなして、

「まアいい、まアいい」

「わかったよ、貴さまの気持はわかっておる」

と、仲裁して、また飲ませると、一方はなおさかんに怒号するし、一方は、植田老の首にからみついて、

「おれは、真実、吉岡一門のためを思うから、直言するんだ。あんな、おべッか野郎ばかりいては、先師拳法先生の名も廃ると思うんだ……ついに廃ると……」

と、おいおい泣き出している。

妓たちは、逃げてしまうし、鼓や酒瓶は、蹴とばされている。

それを怒って、

「妓ども! ばか妓!」

罵って、ほかの部屋を、歩いているのがあると思うと、縁がわに、両手をついて、蒼ざめたのが、友人に背なかを叩いてもらっている。

清十郎は、酔えなかった。

その様子に、藤次が、

「若先生、面白くないでしょう」

と、囁くと、

「これで、彼奴らは、愉快なのであろうか」

「これが、面白いのでしょうな」

「あきれた酒だ」

「てまえが、お供をいたしますから、若先生には、どこか他の静かな家へ、おかわりになっては如何で」