Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「ははは、どうも釣り合いが取れぬと思った。おかしな小僧だの、笠のきちんが振っておる」

「無邪気なものでございますね、何処まで行くのでございましょう」

二人の間に挟まって城太郎はもう得々と元気に返っていて、

「おらかい? おらは、奈良の宝蔵院まで行くのさ」

そういって、ふと、彼女の帯の間から、見えている古金襴の袋をじっと見つめ――

「おや、お女中さん、おまえも状筒を持っているんだね、落さないようにした方がいいよ」

「状筒を」

「帯に差しているそれさ」

「ホホホホ。これは、手紙を入れる竹筒ではありません。横笛です」

「笛――」

城太郎は、好奇な眼をひからかして、無遠慮に女の胸へ顔を近づけた。そして何を感じたものか、次には、その人の足もとから髪まで見直した。

三

童心にも、女の美醜は映るとみえる。美醜はともあれ、清純か不純かを率直に感じるに違いない。

城太郎は、改めて美麗な人だなあ、と眼の前の女性に尊敬をもった。こんな美麗な女の人と道づれになったのは、何か、飛んでもない幸福にぶつかったようで、急に、動悸がしたり、気がふわふわして来た。

「笛かあ、なるほど」

独りで、感心して、