Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

四

途中でございまする」

四

宇治橋のたもとが見えてくる。

通円ヶ茶屋の軒には、上品な老人が茶の風呂釜をすえて、床几へ立ち寄る旅人に、風流を鬻いでいた。

庄田という髯侍の姿を仰ぐと、馴染みとみえて、茶売りの老人は、

「おお、これは小柳生の御家中様一服おあがり下さいませ」

「やすませて貰おうか――その小僧に、何ぞ、菓子をやってくれい」

菓子を持つと、城太郎は、足を休めていることなどは退屈に堪えないらしく、裏の低い丘を見上げて、駈上がって行った。

お通は茶を味わいながら、

「奈良へはまだ遠うございますか」

「左様、足のお早いお方でも、木津では日が暮れましょう。女子衆では、多賀か井手でお泊りにならねば」

老人の答えをすぐ引き取って、髯侍の庄田がいった。

「この女子は、多年捜している者があって、奈良へ参るというのだが、近ごろの奈良へ若い女子一人で行くのは、どうであろうか。わしは心もとなく思うが」

聞くと、眼を瞠って、

「滅相もない」

茶売りの老人は、手を振った。

「おやめなされませ、尋ねるお方が、確かにいると分っているならば知らぬこと、さものうて、なんであんな物騒ななかへ――」