Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
二
加え、誰いうとなく宝蔵院流などと持て囃してしまったのであるが、その物好きな覚禅房胤栄という先代は、もう本年八十四歳、すっかり耄碌してしまって、人にも会わないし、会ったところで、歯のない口をふにゃふにゃ動かすだけで、話もわからなければ、槍のことなどは、すっかり忘れてしまっている。
「だから、無駄じゃよ、行ったところで」
と、この納所は、武蔵を追っ払おうとするのが肚か、いよいよ膠も素っ気もない。
二
「そういうことも、噂に聞いて、承知してはおりますが」
と武蔵は、弄られているのを承知の上で、
「――しかし、その後には、権律師胤舜どのが、宝蔵院流の秘奥をうけ、二代目の後嗣として、今もさかんに槍術を研鑽して、多くの門下を養い、また訪う者は拒まずご教導も下さるとか伺いましたが」
「あ、その胤舜どのは、うちのお住持の弟子みたいなものでね、初代覚禅房胤栄どのが、耄碌されてしまったので、折角、槍の宝蔵院と天下にひびいた名物を、つぶしてしまうのも惜しいと仰っしゃって、胤栄から教わった秘伝を、うちのお住持がまた、胤舜に伝え、そして宝蔵院の二代目にすえたのだ」
何か、ぐずねたいい方をすると思ったら、この奥蔵院の日蓮坊主は、要するに、今の宝蔵院流の二代目は、自分の寺の住持が立ててやったもので、槍術も、その二代目胤舜よりは、日蓮寺の奥蔵院