Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
「そうだっ」
「むだ口を叩かすなっ」
がやがやと罵り出して、自分たちの抜いている刃を振り、宝蔵院衆が手を下すのを煽動した。
武蔵は、そこの牢人達のかたまりが、口ばかりで、質も結束も脆いことを、見抜いたらしく、
「よしっ、問答に及ぶまい。――誰だっ、相手は」
彼の眼が、きっと、自分たちへかかったので、牢人たちは、思わず足を退いてくずれ、中の二、三名だけが、
「おれだっ」
けなげに、大刀を中段にかまえると、武蔵はいきなりその一人に向って、軍鶏のような飛躍を見せた。
どぼっと、栓の飛んだような音がして、血しおが宙を染めた。同時にぶつけ合う生命と生命の響きだった。単なる気合いでもない、また言葉でもない、異様な喚きが人間の喉から発するのである。正しくそれは人間の会話でも表現でもなく原始林でする獣の吼える声に近いものであった。
ずずんっ、ずしいんっ、と武蔵の手にある刃鉄が、つよい震動を、自己の心臓へ送るたびに、彼の剣は人間の骨を斬っているのだった。一颯ごとに、その鋩子から虹のように血を噴き、血は脳漿を撒き、指のかけらを飛ばし、生大根のように人間の腕を草むらへ抛り出した。