Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
「卑怯」
二本の脚と棒が宙へ輪を描いたと思うと、どたっと鞠みたいな物が二間も先の大地へ転がった。
その次には、
「この悪戯者めが」
と、叱りながら、城太郎の腰帯へ諸手をかけて、武蔵は、自分の頭の上に、高々と差し上げてしまった。
そしてまた、咄嗟に棒を持ち直している太郎付の家臣に向い、
「最前から見ておるが、すこしお取調べに手落ちがあろう。これは、拙者の下僕でござるが、貴公たちは、そもそも、罪を、この小童に問われるつもりか、それとも主人たる拙者に問うつもりか」
すると、その家臣は、激越にいい返した。
「いうまでもなく、双方に糺すのじゃ」
「よろしい。然らば、主従二人して、お相手いたそう。それっ、お渡しするぞ」
ことばの下に、城太郎の体は、相手の姿へ向って抛り投げられた。
四
先刻から、周囲の人々は、
(彼は何を血迷っているのか。自分の下僕であるあの小童を、頭上に差し上げて、あれを一体どうするつもりだろう?)
武蔵の仕方に眼をみはり、武蔵の心を忖度りかねていたらしい。
すると、諸手にさしあげていた城太郎のからだを、武蔵が、宙天から落すように相手の者へ向って抛りつけたので、