Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

ふたりの呼吸をかぞえることが出来る。少し離れたところから見ると、今にも闇を切ろうとしている武蔵の顔には、二つの白い碁石を置いたかのような物が見える。それが彼の眼だった。

ふしぎな精力の消耗であった。それきり一尺も寄りあわないのに、助九郎の体をつつんでいる闇には次第にかすかな動揺が感じられてきた。明らかに、彼の呼吸は、武蔵のそれよりも、あらく迅くなって来ているのである。

「ムム……」

出淵孫兵衛が思わずうめいた。毛を吹いて大きな禍いを求めたことが、もう明確にわかったからである。庄田も村田も同じことを感じたにちがいない。

(――これは凡者でない)と。

助九郎と武蔵の勝負は、もう帰すところが三名にはわかっていた。卑怯のようであるが、大事を惹き起さないうちに――またあまり手間どって無用の怪我を求めないうちに、この不可解な闖入者を、一気に成敗してしまうに如くはない。

そういう考えが、無言のうちに、三名の眼と眼をむすんだ。すぐそれは行動となって、武蔵の左右へ迫りかけた。すると、弦を切ったように刎ねた武蔵の腕は、いきなり後ろを払って、

「いざっ」

すさまじい懸声を虚空から浴びせた。