Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
(話せるおやじ)
と尊敬し、石舟斎もまた、
(あの坊主、ものになる)
と、許していた。
こんどの訪問は、九州を遍歴して、先ごろから泉州の南宗寺へ来て沢庵は杖をとめていたので、そこから久しぶりに、柳生父子の消息を手紙でたずねてやると、その返辞に、石舟斎から細々と便りがあって、
(――近ごろ自分は至ってめぐまれている。江戸表へやった但馬守宗矩も、無事御奉公をしているし、孫の兵庫も、肥後の加藤家を辞して、目下は修行して他国を歩いているが、これもまずまずどうやら一人前にはなれそうだし、折から近ごろ、自分の手許には、眉目うるわしい笛の上手な佳人が来て、朝夕の世話やら、茶や花や和歌の相手やら、とかくに寒巌枯骨になりやすい草庵に、一輪の花をそえている。その女性は、和尚の郷国とはすぐ近い美作の七宝寺とやらで育った者であるといえば、和尚とは話も合おう。佳人の笛を聞きながら一夕の美酒は、茶で時鳥という夜ともまた変った味がある。ぜひ、そこまで来ているなら、一夜を割いて、老叟の宿へも来たまえかし)
――こういう手紙を見ると、沢庵は、尻を上げずにいられなかった。まして手紙のうちにある眉目うるわしい女性の笛吹きといえば、どうやら、かねて時折は案じている昔なじみのお通らしくもあるし――