Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
二
……だが、このボロ法衣、そこの茶の木には干しにくいし、この桃の樹は花ざかりだし、わしが生半可、風流を解する男だけに、干し場に困ったよ。お通さん、物干し竿あるか」
お通は、顔を紅らめて、
「ま……沢庵さん、あなた、裸になってしまって着物の乾くあいだ、どうする気です?」
「寝てるさ」
「あきれたお人」
「そうだ、明日ならよかった、四月八日の灌仏会だから、甘茶を浴びて、こうしている――」
と、沢庵は、真面目くさって、両足をそろえ、天上天下へ指をさして、お釈迦さまの真似をした。
二
「――天上天下唯我独尊」
いつまでもご苦労さまに、沢庵が真面目くさって、誕生仏の真似して見せているので、お通は、
「ホホホ、ホホホ。よく似あいますこと。沢庵さん」
「そっくりだろう、それもそのはず。わしこそは悉達多太子の生れかわりだ」
「お待ちなさい、今、頭から甘茶をかけてあげますから」
「いけない。それは謝る」
蜂が、彼の頭をさしに来た。お釈迦さまはまた、あわてて蜂へも両手をふりまわした。蜂は、彼のふんどしが解けたのを見て、その隙に逃げてしまった。
お通は、縁にうつ伏して、
「アア、お腹がいたい」