Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、何の効もなかった。

――今朝もだ。

「わあ、また、ぶち殺されている」

「誰じゃ、こんどは」

「お武士じゃがな」

村端れの道ばたの草むらへ、首を突っこんで、二本の足を変な恰好に上げて死んでいる死骸を発見して、恐怖と好奇心にかられた顔が、取り巻いて騒いでいた。

死骸は、頭蓋骨をくだかれていた、それも附近に立っていた高札で撲ったものとみえ、朱になった高札が、死骸とぶっ交えに、死人の背に負わせて捨ててある。

褒美の文句が、高札の表に出ているので、それを読む気もなく読むと、残酷な感じは消されて、まわりの者は、何だかおかしくなって来た。

「笑うやつがあるか」

と、誰かいった。

七宝寺のお通は、村の人々の間から、白い顔を引っこめた、唇まで白っぽく変っていた。

(見なければよかった――)

悔いながら、まだ眼にちらつく死人の顔を忘れようとして、小走りに寺の下まで駈けてきた。

慌ただしく、上から降りて来たのは、寺を陣屋みたいにして、先頃から泊りこんでいる大将だった。五、六名の部下と一緒に、報らせをうけて駈けつける所らしかった、お通の姿を見かけると、

「お通か。何処へ参ったな」