Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
六
八五郎は漸く人心地がつきました。
「吉三郎を殺した奴だよ」
「じゃ河豚?」
「馬鹿、河豚が酒を買って、届けるかよ」
「さア解らねえ」
「俺も解らねえが、こいつは大変な曲者だ、退治しなきゃ御府内の難儀、お上の御威光にも拘わる。来い、八。今晩のうちに埒をあけてやる」
「ヘエ――」
八五郎は平次の剣幕に釣られて、モソモソと立ち上がりました。
「お静、その酒は匂いを嗅いでもならねえよ。封印をして大事にしまっておけ」
「ハイ」
言い捨てた平次。その足で駆け付けたのは、町内の酒屋升定でした。番頭に訊くと、
「いい年増でしたよ。一番良いのを一升量らせて、小僧に持たせてやりましょうと言うと、イヤ、それには及ばない、私が持って行かなきゃ、親切が届かないって」
「その女は三十前後の――」
「大店の御新造といった風でした。頭巾を冠っているので、髪形はわかりませんが」
「有難う、とんだ手数だった」
平次は外へ出ると、真っ暗な師走の空を仰いで、大きく息をしました。見えざる敵のしたたかさを改めて犇々と感じた様子です。
六
「お神さん、そいつは間違いだぜ。吉三郎は河豚で死んだんじゃねえ、立派に毒害されたんだ」