Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
「若いうちは、流浪もよかろう。しかし、何処へ行っても、身の生い立ちと、郷土とは忘れぬように、以後は、姓も宮本と名乗るがよかろう、宮本とよべ、宮本と」
「はっ」
武蔵の両手は、ひとりでに床へ落ち、ぺたと平伏して、
「そう致します」
沢庵が、側から、
「名も、武蔵よりは、武蔵と訓まれたほうがよい。暗黒蔵の胎内から、きょうこそ、光明の世へ生れかわった誕生の第一日。すべて新たになるのがよろしかろう」
「うむ、うむ!」
輝政は、いよいよ、機嫌がよく、
「――宮本武蔵か、よい名だ、祝ってやろう。これ、酒をもて」
と、侍臣へいいつける。
席をかえて、夜まで、沢庵と武蔵は、お相手をいいつかった。ほかの家来も多く集まった中で、沢庵は、猿楽舞などを踊りだした。酔えば酔うで、忽ちそこに愉楽三昧な世界をつくる沢庵の面白そうな姿を、武蔵は、慎んで眺めていた。
二人が、白鷺城を出たのは、翌る日であった。
沢庵も、これから行雲流水の旅に向い、当分はお別れとなろうというし、武蔵もまた、きょうを第一歩として、人間修行と、兵法鍛錬の旅路に上りたいという。
「では、ここで」
城下まで来て、別れかけると、