Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

「ああ、わかった」

「多くを申し上げないでも、ご推量くださいませ」

「よく、そこまでの心になってくれた。――じゃあ、気まかせに」

「おわかれ申します。……生あれば、またいつかは」

「む。こちらも、ゆく雲、流るる水。……会えたら会おう」

沢庵はさらりとしたもの。

別れかけたが、

「そうじゃ、ちょっと、気をつけておくがの、本位田家の婆と、権叔父とが、お通と、おぬしを討ち果すまでは、故郷の土を踏まぬというて旅へ出ておるぞよ。うるさいことがあろうも知れぬが、関わぬがよい、――またどじょう髯の青木丹左、あの大将も、わしが喋舌ったせいではないが、不首尾だらけで、永のお暇、これも旅をうろついておろう。――何かにつけ、人間の道中も、難所折所、ずいぶん気をつけて、歩きなさい」

「はい」

「それだけのことだ。じゃあ、おさらば」

と沢庵は西へ。

「……ご機嫌よう」

その背へいって、武蔵はいつまでも、辻から見送っていたが、やがて、独りとなって、東の方へ歩みだした。

孤剣!

たのむはただこの一腰。

武蔵は、手をやった。

「これに生きよう! これを魂と見て、常に磨き、どこまで自分を人間として高めうるかやってみよう! 沢庵は、禅で行っている。