Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
「おまえ何処の子、人のことをおばさんだなンて、私は娘ですよ」
「じゃあ――娘さん」
「知らないよ。まだ年もゆかないチビ助のくせにして、今から女なんか揶揄うものじゃないよ、洟でもおかみ」
「だって、訊きたいことがあるからさ」
「アラアラ、おまえと喋舌っていたおかげで洗濯物を流してしまったじゃないか」
「取ッて来てやろう」
川下へ流れて行った一枚の布を、城太郎は追いかけて行って、こういう時には役に立つ長い木刀で、掻きよせて拾って来た。
「ありがと。――訊きたいッて、どんなこと」
「この辺に、よもぎの寮というお茶屋がある?」
「よもぎの寮なら、そこにある私の家だけれど」
「そうか。――ずいぶん捜しちゃった」
「おまえ、何処から来たの」
「あっちから」
「あっちじゃ分らない」
「おらにも、何処からだか、よく分らないんだ」
「変な子だね」
「誰が」
「いいよ」――朱実はクスリと笑いこぼして、「いったい何の用事で、わたしの家へ来たの」
「本位田又八という人が、おめえんちにいるだろう。あすこへ行けば分るって、四条の吉岡道場の人に聞いて来たんだ」
「いないよ」
「嘘だい」
「ほんとにいないよ。――前には家にいた人だけれど」