Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
「孑孑や蛆ほど多い武者修行に、いちいち礼儀を執っていられないことは許してくれ。この柳生家で、それをやっていたら吾々は毎日、武者修行のために奉公していなければならないことになる。――そういっては、せっかく使いに来たおまえに可哀そうだが、この手紙も、ぜひ一度、鳳城の道場を拝見させていただきたい、そして、天下様御師範のお太刀の影なりともよろしいから、同じ道に志す後輩のために、一手の御授業を賜わりたい……。まあ、そんなところだろうなあ」
城太郎は、まるい眼を、ぐるりと動かして、
「おじさん、まるで中を読んでるようなことをいうね」
「だから見たも同じだといっておるじゃないか。ただし、柳生家においても、何もそう訪ねてくる者を、素ッ気なく追い返すというわけではない」
噛んでふくめるように、
「――その番士に、教えてもらうがいい。御当家を訪れた一般の武者修行は、大手を通って、中門の右を仰ぐと、そこに、新陰堂と木額のかかっている建物がある。そこの取次の者へ申し入れると、休息も自由、また、一夜や二夜は泊めてあげる設備も出来ている。そして、世の後進のために、わずかながら、出立の折には、笠の代として、一封ずつの金を喜捨することにもなっている。