Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme
武蔵が今いったことば――
(――強いて目に見たく思し召すなら、私をお試しくださるほかはない)
これは穏かのようだが、明らかに戦闘を挑むものだ。出淵と庄田は、四高弟のうちでも年上だけに、早くも武蔵の覇気を観てとって、
(豎子、何をいうか)
と、その若気を苦笑するもののようであった。
話題は一つところにとどまらない。剣の話、禅の話、諸国のうわさ話、わけても関ヶ原の合戦には、出淵も、庄田も、村田与三も主人について出たので、その折、東軍と西軍との敵味方であった武蔵とはひどく話に実が入って、主人側もおもしろげに喋べり出し、武蔵も興に入って話に耽ける。
徒に、刻は過ぎ――
(今夜をおいて、二度と、石舟斎へ近づく機会はない)
思いめぐらすうちに、
「お客、麦飯でござるが」
と、酒をひいて、麦飯と汁とが出される。
それを喰べつつも、
(どうしたら彼に)
武蔵は、他念がない。そして思うには、
(所詮、尋常なことでは接近できまい。よし!)
彼は、自分でも下策と思う策を取るほかなかった。つまり相手を激させて、相手を誘い出すことだ。しかし、自分を冷静において、人を怒らせることは難しい。