Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 231.525 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

、小さな竹柄杓をもって、その頭から甘茶をかけたり、また、参詣人の求めに応じて、順々にさし出す竹筒へ、その甘茶を汲んでやっているのは、宗彭沢庵であった。

「この寺は、貧乏寺だから、おさい銭はなるべくよけいにこぼして行きなよ。金持は、なおのことだ、一杓の甘茶に、百貫の金をおいてゆけば、百貫だけ苦悩がかるくなることはうけあいだ」

花御堂を挟んで、その向って左側にお通は塗机をすえて坐っていた、仕立ておろしの帯をしめ、蒔絵のすずり箱をおき、五色の紙に、禁厭の歌をかいて、それを乞う参詣者に頒けているのである。

ちはやふる

卯月八日は吉日よ

かみさげ虫を

成敗ぞする

家の中へこの歌を貼っておくと、虫除けや悪病よけになるとこの地方ではいい伝えている。

もう手くびの痛くなるほど、お通は、同じ歌を何百枚もかいた、行成風のやさしい文体が少しくたびれかけていた。

「沢庵さん」

――と彼女はすきを見ていった。

「なんじゃい」

「あまり、人様に、おさい銭の催促をするのはよして下さい」

「金持にいっているんだよ、金持の金をかるくしてやるのは、善の善なるものだ」

「そんなことをいって、もし今夜、村のお金持の家へ泥棒でも入ったらどうしますか」