Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Lesen Sie 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) von 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 128.862 Zeichen · 251 Bildschirme
もっとも木地からいえば、一寸に柾何本という本場桐の上物など一足十円十五円の品もあったが、たいていは店の看板。お上品向きは背の高い表付、後部の刳ってないあと丸もあったが華族さんか医者先生、先代土方伯など小柄な人はいつも高さ五、六寸の別製の駒下駄で埋め合せ。
雪駄も広く用いられた。上物は表二枚乃至三枚重ね、安物は一枚表、日が当るとそっくり返って焼きざましの鯣みたい。底金のチャラチャラは嫌味だが、パッチに尻っぱしょり、信心詣りの雪駄の音など悪くなかった。デイデイと流して歩く雪駄直しの編笠姿も、明治時代にはよく見うけた。小僧さんの盆暮のお仕着せ新しい板目の駒下駄、小倉の鼻緒で嬉しそうにテクテク。だが平素は麻裏草履や真田の鼻緒の幅の狭い板草履(俗に草履下駄という)がおきまり。書生さんは山桐の薩摩下駄か朴歯の高下駄をガラガラ。
婦人物はやはり桐柾のめりの薄形。本天か繻珍の鼻緒で堅気は地味、黒塗りなどは柾を誤魔化すといって安物扱い、お嬢さんは朱塗りのぽっくりで振袖によく調和した。男女とも凝った連中は名代の下駄屋へわざわざ註文。茅町の香取屋、馬道の大三津、照降町の宮田、新橋の阿波屋、会津屋など。