Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Lesen Sie 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) von 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 128.862 Zeichen · 251 Bildschirme
夏気分の新内流し
夏気分の新内流し
艶物を恥かしがった加賀太夫
夏の夜の巷にひびく新内の流し、今でも下町ではときどき聞くが、明治時代には夕方蝙蝠が出る時に、きっとやって来る。それが心なき身には、天ぷら食いたいとか、チンコロ踏んだとか聞えるにせよ、当時の江戸ッ子には堪らなく情緒的で、その美しい遠音にうっとりと聞きほれたものだ。
路地の溝板の上で聴かせる新内は、真実たいして感心せぬが、寄席で有名の富士松紫朝、明治初年に鳴らした人で大柄の盲人、坊主頭に地味な被布、声も太く、三味線も太い、随っていきな新内というよりも少々義太夫がかった渋い語り口、曲弾きなども上手でまず名人格であった。
その後は女で鶴賀若辰、これも盲人だが全く新内らしいいきな咽喉、お座敷的ではあるがしんみり聴かせた。
続いて二代目紫朝、これはなぜか柳家を名乗ったが先代風の語り口、御多分にもれぬ盲人だがなかなかの美声、一時は柳派の呼び物であった。
以上と前後して明治の中頃、おそまきながら売りだしたのが先代加賀太夫、同じ富士松でも紫朝畑とは違って、艶物が得意で一方「膝栗毛」のようなチャリも利く、新内の特色をふんだんに振りまわして、若い定連をぞくぞくさせた。