Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Lesen Sie 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) von 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 128.862 Zeichen · 251 Bildschirme
狸じると珍物茶屋
鰻は小串、中串、中アラ、好みによって注文する。蒸しへかけずとも皮まで溶けるよう、あぶらが乗ってぼっとりと口当りよく香味たっぷり、思わず額をたたいて素敵素敵。
古画の鑑識で知られた竹葉の先代はさすがに鰻の鑑識も高く、常に江戸前の絶滅を歎じ、「我々五、六軒で東両国の青柳(割烹店)の前の大川へ生簀を置いた頃までは魚の味もよかったが、川の水が悪くなってとうとう引き揚げ、ただいまは宅の前で水道で囲ってますが、今日ではほかに致し方がありません」と当時の直話。もっとも客の方にも江戸前の好者が減って、今なおうなぎ屋繁昌はよくしたもの。
狸じると珍物茶屋
いずれ劣らぬ変人揃い
八笑人の一党そのまま、洒落か本気か判らぬような商売に、浮世を茶にした連中が、明治の初期には相当現われた。そのころ浅草の奥山付近は変り者の粒揃い、いろいろ奇行を残したものだが、中にも後れ馳せながら振るった看板、田甫の狸汁と公園の珍物茶屋。
十八、九年頃の話。まだ千束村の田甫時代、公園裏の田甫中へ全くの一軒家、こけら葺きの粗末な構え、くねった丸太の門柱へ宗匠流の達筆で「たぬき汁」の一枚看板、玄関前に陶製の大きな狸が徳利を提げた立姿で客待ち顔、庭には活きた仲間が一匹遊んでいたようだが、肝腎の狸汁は、つい恐れをなして食わなかった。