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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじせそうひゃくわ

明治世相百話

山本 笑月

Lesen Sie 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) von 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 128.862 Zeichen · 251 Bildschirme

Aozora Bunko

広業画伯思い出草

の大作を出し、「月光灯影」「渓四題」「白馬八景」そのほか幾多の名作を遺した明治画壇の重鎮寺崎広業画伯は、酒豪だけに極めて磊落な性行の人であったが、一面、常に画道を精進し、よく新意を捉えて時代の先駆をなした。それにはずいぶん人知れぬ苦心もあったのである。

大正三年の文展出品「高山清秋」も苦心の一つで、当時信州上林からわざわざ報じて来た書信の一節「上信間の山めぐり白根山付近の実景を高山清秋と題し、六曲裏金屏風へ極彩色にて揮毫致居候、小生としてのみならず邦画として未だ古今描かざる場合を捕へ苦心致し居候」と、すべてこの意気で努力したればこそ。

しかし随分多作もした人で、これはいつごろの作と一々は覚えておられまいに、あるとき箱書きを頼みに来たのは紙本墨画の一幅、菅公幼時の図であり、画伯つくづく眺めて「君、驚いたね、これは僕の十九の時の画だよ」と、酒は飲んでも頭はよかった。

名力士の常陸山谷右衛門とはすこぶる意気投合して、折々出かけては痛飲徹宵に及んだ。酔余達筆を揮って同人新宅の襖などへ盛んに描いたものだ。ついでに襖の話では横須賀の某氏邸の大作、三間四枚一組、表は墨画の海辺老松、裏は波に千鳥、二間四枚一組は彩色の菊花に細流、ほかに小襖二枚、金地に極彩色の秋草、いずれも卓絶の技巧に明治の宗達応挙とまで称えられた。