Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Lesen Sie 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) von 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 128.862 Zeichen · 251 Bildschirme
日本一の愛猫家物語
例の『みみずのたわこと』を出版した書肆の主人が二年余り日参してようやく願いが叶いましたとは、まんざら嘘でもないようだ。原稿を持って回るソコラの先生とは大違い。
日本一の愛猫家物語
子猫の嫁入り先が四十六軒?
明治の文士で廓通の片山友彦君、五丁庵通里と称して通人肌の好人物であったが、見かけによらぬ奇行家、かつて東海道の名物の袋や商標を集めて貼込帳を作った。五十三次たいていそろったが、保土ヶ谷だけが、名物もなにもないのでわざわざ用もないに保土ヶ谷へ出かけ、一晩泊って宿屋の受取を持ち帰り「これでようやく大そろいだ」と涼しい顔。
一家そろって大の猫好き、おばあさん猫を始め、娘猫、孫猫と母子三代がみな丈夫でお産をする。子猫はたいてい所望者がついて片づくが、それでも自宅には常に十何匹が鼻づらをそろえて玄関の次の間にずらり。見知らぬ客がうっかり入ると、大小一度に背中を丸くしてフーッと来る。さながら怪猫屋敷、有馬様でもこれほどではあるまいと気の弱い客はぞっとする。
さすがの猫好きも少々気の毒になって、今度は二階に追い上げる。子猫でも好い気になって、天井の鼠公以上に荒れまわり、襖を破るやら掛物を引き裂くやら大変な騒ぎ、それでも主人公平気で玉よ駒よと、本当の猫撫で声、さすがは日本一の愛猫家と友人どももあきれ返った。