Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Lesen Sie 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) von 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 128.862 Zeichen · 251 Bildschirme
信伝豪奢の四層楼
それより特別の晩餐、出る品ことごとくこっちのお口に合わないのと、食べ方がわからないので、ただ驚いて眺めるばかり。小さいコップへ五色に注ぎ分けた洋酒の美しさ、総てが夢心地にぐったりして帰った。
信伝豪奢の四層楼
唐木造りの芸術的建築
本所四ツ目の「シナ伝」で通った材木商、信濃屋こと丸山伝右衛門、明治の初年御用商人で仕上げた百万長者、その娘さんが黒田清隆伯の夫人、時めく勢いにまかせて邸内へ設けた四階の楼閣、唐木細工の贅を尽し、庭園の結構目を驚かす。
あまりの豪奢に黒田伯これを聞いて、以てのほかとつむじを曲げ、且つは一切御用も止まり、伝さんそれ以来左り前となってついに借金王と呼ばれるほどの境遇、随ってさしも善美を極めた楼閣も引取人がなく、そのまま草ぼうぼうの中に立腐れの形、栄華の夢はさておき、その結構を知る者はもったいなさに涙をこぼすが、どうにもならぬ。
建坪はさまで広くないが総て唐木造り、一階大広間の九尺床は目の覚めるような紅花櫚の一枚板、左右一丈二尺余の大柱は世にも珍しい鉄刀木の尺角、上から下まで精密な山水の総彫、多分は堀田瑞松あたりの仕事であろう。この柱一本で立派な邸宅が建つという代物。