Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Lesen Sie 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) von 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 128.862 Zeichen · 251 Bildschirme
洋家具製造の先覚者故小林義雄氏は、常に上等の葉巻を手から離さぬ。一日に何本いりますと聞くと、たいてい七、八本、多い時は十本との話、一カ月百円内外となってまず当時の大関であった。そのころ例の岩谷松平氏も年中葉巻をくわえていたが、これは火のついたのを見たことがない。看板か体裁か、とにかく経済的の愛煙家、もっとも煙草は商売であった。
故大隈侯は金口であったが、首相時代官邸へ訪問したその面談中、手にした金口のエジプト煙草を一口も吸わずに例の雄弁、そのうち煙草は灰となって火は指先に迫る、こちらは気をもんで注意すると、ああ左様かと捨てる。傍の山崎秘書官がまた新しく一本つけて渡す。それもまた談論のうちに灰となる。たちまち二、三本は無駄にした、大変な愛煙家もあったもの。
骨董商の好古堂先代中村作次郎氏は大の喫煙家であったが、健康上、断然禁煙し、以来十年間、煙草代として積んだのが八百余円、その金で不忍池の周囲へ四百本の桜を植えた。今も繁っている、奇特というべし。
故田山花袋氏は敷島を半分吸うと火鉢へ突き差す。たちまち吸殻の林立、もったいないが末の方は不味くて吸えぬといわれた。