Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Lesen Sie 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) von 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 128.862 Zeichen · 251 Bildschirme
柳里恭は人に師たるの芸が十六あったというが、故前田香雪(健次郎)翁も多芸多能で、和歌、国学は家の業、書画鑑定は当時第一人者であった。茶道は石州流の皆伝、書道は一流の仮名の書手、そのほか武術にも長じ、剣道槍術馬術は師範格であったから、以上人に師たる芸、少なくとも八つ九つあったわけだ。
軟文学にも通じ、新聞小説の元祖は実にこの香雪翁であった。明治八年『東京絵入』に裁判種の殺人事件を続き物として綴ったのがそもそも始めで、その後みずから『絵入朝野』を起し、長篇小説『新形蒔絵護謨櫛』を載せた。
当時の流行品を取り入れた題名、これも好評を博し、春木座で上演した。新聞物上演の嚆矢であろう。
背は高くないが痩せぎすの色の白い、極めて上品の老人、武術で鍛えた身体はどことなく締って凜とした構え、歯切れのよい話振りで講演など人皆我を忘れて傾聴した。古書画の鑑定については、その著『後素談叢』を見ても蘊蓄の深さが窺われる。古社寺取調委員として全国を回った記録が、一々優雅な題名を付して数十冊に及んでいる。見事な手蹟で明細に書いてある。これらはみな未出版だが、斯界に取っては貴重な文献である。