Classici giapponesi con furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
「五百余りにござります」
討手の軍勢はこれを聞くと追い討つ勇気も失って黙然とそこに集まったまま武者押しの火光を見守っていた。
此方花村甚五衛門は一党の軍勢を引き連れて燃える松火に路を照らし山の中腹を伝って行く。軍令厳しく兵誇らず、初冬の夜風を真っ向に受けて、一列縦隊ただ粛々と南へ南へと進むのである。
福島の城下を出外ずれて上松の畔へ来た時に夜はほのぼのと明け初めた。須原の宿へ来た時には陽が中空に指し上ぼった。
一軍はここで暫時停まり悠々と兵糧を使いながら追手のかかるを待ち構えた。しかし追手はかからなかった。さすが我儘の義明公も、甚五衛門の手並みのほどは、かねて充分知っているため追い討つことをやめたのであろう。
再び一軍は粛々と中津川を指して行進した。こうして野尻へ来た時に忽ち今来た方角から砂を蹴立てて一散に此方へ走り来る人影がある。
全軍はたと立ち止まった。そしてグルリと振り返り鉄砲組は進み出て一斉に筒口を差し向けた。
走って来るのは三人である。二人は逞しい武士であるが、一人はうら若い乙女である。武士の一人、大音上げて此方の軍へ話しかけた。
「その鉄砲を打ち放すことしばらくお待ちくださるよう。