Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate
巴ヶ淵の不思議
国中の者からは敬われ、基督様からは護られて、何不足なく暮らしていた」
「それだのにどうしてお父様は日本へ渡られたのでございます?」
「基督様の御教えを日本へ拡めるそのためにな」
「日本へお渡りになったばかりに、お殺されなされたのでございますね」
「そうじゃ、私は殺された。巴ヶ淵の岩の上で」
「巴ヶ淵の岩の上で?」
「首を刎ねた後の屍骸を、無慙な木曽家の奴ばらは巴ヶ淵へ蹴込んだのだ。いまだに私の屍骸は、巴ヶ淵の底にある。そればかりではない。わしの首は、皮を剥ぎ肉を削いで髑髏とし、漆を塗って盃とし、宝蔵の奥に隠してある。木曽家の奥の宝蔵にな。そして珍らしい客でも来ると、南蛮渡来の髑髏盃じゃと、このように云うてあの義明は、その盃に酒を注ぎ、さも心地よげに飲み干すのじゃ……」
巴ヶ淵の不思議
「さぞご無念でございましょうね」鳰鳥は父の無念を察し、思わずこのように云ったのである。
「無念は言葉にも尽せぬが、それより一層恐ろしいのは、この西班牙の風習として屍骸に首のない時は、天界に産れ変わることが出来ないのじゃ。それ故淵に沈んでいる父の白骨の胴体は、木曽家の宝蔵の中にある、髑髏の盃を恋い慕い、またその髑髏の盃は淵の底の白骨を慕うている。