Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Leggi 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 335.908 caratteri · 669 schermate

Aozora Bunko

「いかに殿様が大事じゃとて罪もない女子を殺そうとは、それはあんまりでござります。それに肝心のお殿様、お若い身空というではなし、とうに初老を過ごしたお方、遊女風情のこの私に現を抜かす筈もなし、たとえ毎晩藪原へお通い遊ばすと致しましても、そのため木曽のお館が潰れることもありますまい。もしまた毎晩の藪原通いが殿様の不為でございますなら、どうで身受けしたこの私を、お館へ差し出しくださりませ、きっと私がお殿様の機嫌を程よう取りまして、木曽家のおためになりますよう及ばずながらも致します……私はこんな遊女の身、突こうと切ろうと殺そうとあなたの勝手ではございますが、やっぱり生きとうござります。それに私はこう見えても親の仇を討たねばならぬ大望持った大事の身分……なにとぞお許しくださりませ」

鳰鳥は颯と身を翻えし、岩を伝って逃げようとした。その裾を素早く踏み止めた大力無双の甚五衛門は憐れむように声を落とし、

「なるほど、女の身であって見れば、命を助かりたい一心で、親の仇を討つ身じゃなどと、この場に臨んで偽りを云うも決して無理とは思われない。が、しかし一旦甚五衛門の手中にはいったその方を、それしきの偽りに瞞されて何でおめおめ放そうぞ。