후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
もとも、ここはやっぱり冬の客室につかわれていたらしく、曲線的なモーデリングのある天井は居心地よいように、暖い感じのあるように割合低く、奥ゆきのある張出し窓が通りに面している。そこにシャボテンの鉢植がのっていた。入ったつき当りにも出窓があり、その前に大型の事務用机が据えてある。事務机はもう一脚、あまりひろくないその室の左手の隅にあるきりだった。そっちでは白いブラウスを着た地味な婦人が事務をとっている。
秋山宇一が特別注意した美人というのは、一言それと云われないでもわかるほど、際だった容貌の二十七八のアルメニア婦人だった。黒のスカートにうすい桃色のブラウスをつけ、美しい耳環をつけ、陶器のように青白い皮膚と、近東風な長い眉と、素晴らしい眼と、円くて、極めて赤い唇とをもって、その室に入ったつき当りのデスクをうけもっているのであった。
「ああ、プロフェッソル・セガァワ!」
てきぱきした事務的な愛嬌よさでそのひとは椅子から立ち上った。そして、手入れよく房々とちぢらした黒い髪を頸のまわりでふりさばくようにして、デスクのむこう側から握手の手をのばした。それと同時に、新しい客としてそこに佇んでいる伸子と素子の方へ、それぞれ笑顔をむけ、やがてデスクのうらから出て来て、握手した。