후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
十八
そのわきに、茶色のノートが重ねられている。蜂谷良作の講義は、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ立とうとしている伸子の意志とはりあうようにつづけられている。伸子は、合図のドラが一つ鳴れば、出帆するばかりになっている船のように自分を感じる。ドラが鳴らされなければならない何が自分と蜂谷との間にあるのだろう? ほだされから自分を解くのが自分の責任だと、これほど明瞭にわかって来ているのに。――しかし伸子はドラの鳴るのを待っている。自分の心のどこかで、ドラが高く鳴るのを待っている。
そういう一日のことだった。亀田夫妻が、手軽な御飯の会を催した。クラマールやパリ市内に独身ぐらしをしている友達たちのある人々に、日本風のお香物や番茶の味をたのしましてやろうという、夫妻のもてなしであった。伸子と蜂谷もよばれた。野沢も来ているし、ほかに二人ほど、日ごろ伸子のつき合っていない画家たちも来あわせた。毎日数時間は亀田のアトリエですごしているような柴垣は、そこが気に入りの場所と見えて長椅子の上にパイプをくわえてころがっている。野沢はマルチネの家でそんな風にかけていたように、室の隅によって低い椅子の上にまとまりよく、中央のストーヴのまわりに主人夫妻や伸子、パステルを描く豊岡という画家などがかたまっている。