후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
十三
小首をかしげたが、
「男のつかうもんですよ」
と伸子に説明した。
「わたしのところに、非常に質のいいのがあるんです、全く自然なんだ。――一つこころみませんか」
伸子は白い枕の上に断髪の頭をのせ、ぽかんとした眼で権田正助を見た。権田の云っている言葉はわかるのだが、話の感覚がまるで伸子とピントを合わせなかった。黙って、意外な眼で権田をみている伸子に、
「とにかくお大事に。――時間があったらまたよってみますが」
と云って、権田正助は病室を出て行った。
十三
どんな気で、権田正助が伸子の見舞いに来、ああいうことを云ったのか、伸子にはいくら考えても推量ができなかった。それなり世界的な日本の潜水業者と自他ともに許している背の低い、色の黒い男は伸子のところへ二度とあらわれず、伸子は一日のうち少しずつベッドの上へ起き上ってくらすようになった。
そうすると、伸子の病室に出入りするひとも、素子とナターシャと医者たちばかりでなくなった。医局の方につとめている若くない看護婦で、紙にはった押し花を売りに来るひとができた。その内気な小皺の多い看護婦のこしらえている押し花は、よくある植物標本のようなものではなくて、青色やクリーム色の台紙へ、その紙の色にふさわしい配合で三四種類のロシアの草や野の花をあしらったものだった。