일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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どうひょう

道標

宮本 百合子

宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면

아오조라 문고

十

――日本へ帰らなければならない、という必然が、伸子にはっきりしなかった。

素子は、ソヴェトへの旅行を決心したとき、かたわらでぐずついている伸子にかかずらわないで自分の出発の準備をすすめた。伸子はついて来た。

素子は日本へ帰ろうという計画を、伸子がパリにいた間に、きめたようだった。彼女の日常の万事がその方向に進められている。伸子は、やっぱり窮極には素子についてモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)を去るのだろうか。それは伸子自身にわからなかった。伸子にわかっているのは、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)がなおつよく自分をひきつけているという事実だけだった。素子と伸子とは、もう幾年間も一緒に生活して来たものの毎日で、とりたててそのことについて議論するというのでもなく、その問題をもって来ているのだった。

ある午後、素子は大学へ行っていて、伸子がひとりホテルの室にいたときだった。窓から、晴れた早春の空を眺めていた伸子はふっと、これから行って見よう、という気になった。この間から、伸子はしきりにトゥウェルスカヤ通りの上にあるリュックス・ホテルのことを考えていたのだった。