후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
九
あとのいきさつは、伸子に一向わからなかった。ペレールの家へ伸子はあいかわらず日に一度、二日に一度と顔を出していたが、多計代はもうそのことにはふれなかった。和一郎もだまった。その様子で、伸子は、両親と和一郎との間には、もう伸子を必要としない協定がなりたったことを知ったのだった。そして、八月にはいると間もなく、佐々泰造、多計代、つや子の一行がロンドンへ行った。留守になったペレールのアパルトマンへは、ホテルを引きあげて和一郎夫婦がはいった。
パリの日本郵船支店から貨物船の便宜があって、不用になった佐々の荷物の一部を、ロンドンへ立つ前に東京の家へ向けて発送しておくということになった。
大きい木箱だの、金ものづくりの大トランクだのが、アパルトマンの狭いなか廊下へもち出された。これから先の旅行のために残しておかなければならない衣類と、もういらない分とをよりわけて、うずたかくつみあげたベッドのはじへ腰をかけて、多計代はトランクのまわりで働いている伸子、素子、運搬がかりのつや子を監督した。多計代がくたびれてベッドによこになっても、そこからみんなのしていることは見える廊下の位置に、トランクはひっぱり出されているのだった。