후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
七
「どうしたの」
伸子は、さては母が病気になったかと思った。
「誰か病気なの?」
「ううん、ちがう」
もしゃもしゃになっているおかっぱの頭をふって、つや子は、とり乱したようにひどい力で伸子を、まっすぐ客間へひっぱって行った。露台に向って一杯に窓がひらかれている、雨のあとの爽やかな空気が流れている客間の長椅子の上に脚をのばして、多計代がいた。ななめよこから夕暮の外光をうけている多計代の顔色のわるさ。それは蒼さをとおりこして青っぽく黄色かった。長椅子の前の小テーブルに飲料水エビアンの瓶とコップとがおかれていて、わきに多計代の持薬である宝丹の紙袋が出ている。
「ほら、やっぱり、どっかお悪いんだわ」
伸子は、足早に母のそばへよって行った。
「どうなすって? 電話下さればよかったのに」
多計代は、むしろ精神的に、力も何もぬけはてた様子で、伸子の方へ手をさしだした。大粒のダイアモンドの指環のはまった多計代の右手は、伸子の手のなかでかすかに震え、表面が冷えきっているようでしんが熱っぽかった。
「ね、ほんとにどうなすったの? どっかが苦しいの?」
「苦しいのなんのって――伸ちゃん」