후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
三
率直ということが卑劣と相いれない本質のものであるなら、素子は卑劣でなかった。素子は伸子に対して、どんな場合も率直でないことはないのだから。けれども、伸子には、自分に向って率直にあらわされる素子の不安定な機嫌というようなものが切なく思われた。窓のそとでは大屋根の廃墟の穴の中へ雪が落ちているホテルの夜中、コトコト鳴るスティームの音をききながら、伸子は考えるのだった。そもそも、機嫌とは、何なのだろうか、と。そして、ぼんやりした恐怖を感じた。伸子は、はじめて機嫌を軽蔑する自分を感じたから。そして、一緒にくらして来た数年間、伸子は、素子の機嫌を無視した経験がなかったから。こうして伸子が何となしくよくよと物を思っているその夜の間も、羽搏きをやすめず前進しているモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)生活で、どんな一つの積極的なことが機嫌からされているだろう。どんな一つの失敗が機嫌で拾収され得ているだろう。伸子は、ここまで来て、こういう感情にかかずらっている自分たち二人の女の貧寒を感じた。
三
つぎの夜、素子のところへ女教師が来たとき、伸子は気をつけていて、自分がドアをあけるようにした。