후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
灯を消してある病室の中は、ドアの上のガラスからさしこむ廊下の明りにぼんやり照し出されていた。その薄暗がりの中で両眼をあいている伸子には、暗さが圧迫的で、我知らず耳をひかれる物凄い呻り声が高まるにつれ、伸子の体は恐怖といっしょに仰向きに横わったまま浮きあがるような感じだった。
こんな晩こそナターシャが見たかった。看護婦の大前掛を大きいおなかの上にかけて、はたん杏の頬をして、ゆっくり歩いているナターシャが。でも、ナターシャはよびようがない。彼女は夜勤はしなかった。身重だから。
呻り声がたかくなってこわさがつのると伸子は息をつめ掛けものの下でぎゅっと両手を握りあわせた。伸子の全心が苦しく緊張し、その苦しさのなかには呻り声から与えられる恐怖とは別に昼間のいやな後味が冴えて尾をひいているのだった。薄い涙を眼のなかに浮かせたまま、伸子は顔をできるだけ深く枕に埋めるようにして明けがた近く、疲れて眠った。
この二月初旬から三月にかけての間に、本国の佐々の家で多計代を中心にどんな相談がもちあがり、それが実行に移されようとしていたかということについて、伸子は全然知る由もなかった。