후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
と云って毒ガスの研究をしている軍国主義者でもない。死んだ保のように、善いことをするためには絶対に善い方法がとられるべきだ、と、おさなくひよわな精神の力をふりしぼって絶対の正しさを求めた若者でもない。社会主義へという一つの方向へ啓蒙しようとするばかりの論議よりも、より深い複雑なところで蜂谷良作が現実を捉えようとしたがっていることは、伸子を反撥させることではなかった。伸子自身も、ものごとの、しんのしんから知りたがる方なのだったから。そうして知ったものこそ、つよいと信じているのだったから。
話しこんでいた蜂谷良作は、腕時計をのぞいて、
「――こんな時間なんだろうか」
素子の時計と見くらべた。
「そりゃそうでしょう、芝居がはねたのが何しろ十一時すぎだったんだから」
サン・ミッシェルの大通りはまだ宵のくちの賑やかさで、カフェーの客も女づれが目立って入れかわり立ちかわりしている。
「よわったな」
蜂谷は、こまった額に太い横じわを現した。
「クラマールへ行く電車が一時までなんだ」
「どこなんです? そのクラマールって」
「ヴェルサイユ門から四十分ばかりのところなんだけれども――よわったなあ」