후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
「気分は大丈夫?」
「ええ」
かわす言葉はそれぐらいだったが、それでも二人がだまって互に近くいるそのことに、悲しくせわしい事務の間の、やすらぎがあるのだった。悲しみも一人の胸に、事務的な判断も一人の肩にかかっている須美子に、そういう瞬間が必要なのだった。
その晩は八時すぎに、伸子ひとりだけ帰った。磯崎の客間で夜どおしをするのが男のひとたちばかりなら、又それとして男のひとたちにも、くつろぎかたがあり、したがって須美子にもくつろぐときがあるらしかった。
五
磯崎の葬式がすんで二日めの午後、マダム・ラゴンデールの授業をうけるために帰ったホテルの屋根裏部屋で、伸子はながいこと一人でいた。
ペレールのうちのものたちにとっては伸子の友達の磯崎恭介が、このパリで急死して、あとには小さい子供とのこされた若い妻がいるというようなことは、まるでかかわりない生活の気分だった。伸子は、この数日、ひとり痛む心をもって、デュト街の須美子の家とペレールの家、自分の屋根裏部屋と、まわって暮した。
だまって、じっとしていたい心持になっている伸子は、往来越しに向い側の建物のてっぺんにある露台が見えるディヴァンの上で、おもちゃの白い猿を片方の腕に抱いてよこになっていた。