후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
「だってお父様、志願してそうしたのよ、わたし」
晴れ晴れした声でそう答えた伸子は、父の感傷を深めまいとしたのだった。
「ほんとにねえ。……折角、こうやってみんなで暮したのに――」
多計代がナプキンをとりあげて瞼にあてた。
「お母様、もらい泣きしないでよ、ね」
そう云ったのも、伸子とすれば、一座を元気づけ明るくしようとするためだった。しかし、結果は逆になり、多計代は、伸子がもらい泣きと云った言葉にこだわった。
「他人のマダム・ルセールでさえ、わたしの手に接吻して泣いたのに――伸ちゃんは、ちがったもんだよ、よくもよくも、もらい泣きだなんて云えたものだ」
「お母様、でも、お父様がさきだった」
少女らしい几帳面さで云い出したつや子の膝を、つついて、伸子はだまらせた。
「そういうもんじゃありませんよ。伸子だって、われわれを機嫌よく立たせたいと思って、いろいろやっているんだ」
いま、それを云い出すのが真実の思いなら、多計代はどうしてきょうになるまで、伸子にとってはわけのわからなかった用心ぶかさで、パリに残ってあとからモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ帰ろうとする伸子のプランと、自分たちだけでシベリア経由で帰るときめたプランとの間に、けじめをつけて来ただろう。