후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
見なれた部屋着にくつろいだ伸子。顔を洗って来て、ルケアーノフの細君が用意しておいてくれたジャム入りの油あげパンをおいしがって、茶をのみはじめている伸子。伸子のそのこだわりのない食慾や、もうどこへ行こうとも思っていない人間の無雑作さで寝台の上にとりちらされているパリ好みのネッカチーフやハンド・バッグなどは、その部屋に自分以外の者が住みはじめた目新しさと同時に、やっと永年なじんで来た生活がそっくりそこに戻った感じを素子に与えているのだった。伸子は、自分の動きを追う素子の一つ一つのまなざしからそれを感じた。そして、伸子自身も、アストージェンカへ帰って来て、もうどこへ行こうとも思っていない自分を感じるのだったが、素子の視線には、何か伸子の意識の陰翳にあるものをとらえようとしているようなところがある。伸子の、何かに向って、配られている詮索がある。
ひと休みしてからの伸子は荷物の整理にとりかかった。画集のトランクは、ちょくちょくあけて見られるようにドアの左手の壁際へ、いくらもない着換え類は、素子とおもやいに衣裳箪笥にかけた。そして、空になったスーツ・ケースを自分の寝台の下へ押し込んでいると、横がけにかけている椅子の背に両腕をおき、その上へ顎をのっけた姿勢で伸子のすることを見守っていた素子が、