후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
伸子は、出歩き、よみ、出歩かない日には、ロンドン印象記をかきはじめた。
ルケアーノフの下宿では、木曜日の夜が伸子たちの入浴日だった。伸子は、きょうこそ風呂の前に、ほこりっぽい仕事を片づけてしまおうと思って、正餐がすむと、素子の本棚の下から、束のままつくねてあった日本からの新聞・雑誌類をひっぱり出した。
デスクに向っていた素子が、
「そうそう、それをやる前に、ぶこによませるものがあったっけ」
椅子から動かず、うしろ手で、封のきられている二つの封筒を伸子にわたした。一通は、河野ウメ子からの手紙だった。もう一つの方は、めずらしく浅野蕗子から来ている。蕗子は伸子たちがモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)で暮すようになってからたまにエハガキをよこすぐらいで、口数のすくない人らしく筆数も多くなかった。伸子は、何となく二つの手紙を見くらべていて、蕗子の手紙からよみはじめた。
まじめな字が、蕗子の、ちょいとながしめで伸子を見て笑うときの口元のようなふくらみのある文章で語っていた。お二人がパリから下すったエハガキはうれしく拝見いたしました。あれから、いくたびもおたよりをしようとしながら、つい書けませんでした。