후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
その日の席へも、さつき夫人は、いくたりかの婦人たちになぐさめられようなどと考えて来ているのでないことは、明瞭だった。
伸子がさつき夫人にあったのは、あとにもさきにもそのとき一度であった。大杉栄には、魔子という娘もいた。その少女は、何か偶然のことで、田舎のおじいさんのところへ行っていたかで、生きのこった。思えば、その魔子もモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来てしまった山上の娘が、リュックスの出窓の前へ、誰はばからず悠々と洗濯した靴下をぶら下げて暮しているようには、生きていないわけだった。
元気のいいタイプライターの音がやんだ。印刷された紙が機械からはずされ、クリップでとめられた。
「さあ、すんだ」
山上元の、背の高くない、がっしりとした体が、伸子のおさまっているテーブルの向いの使いふるされた肱かけ椅子へ移って来た。
「えらく、お待たせした」
そして、去年の十二月、彼の七十回の誕生祝賀のときプラウダにのった大きい写真で伸子がよく見知っている山上元の特徴のある三白眼が、まっすぐ伸子を見た。亡命生活をつづけている老革命家であり、その晩年に計らず父親としての生活ももつようになった山上元の、遠慮のない、観察的な視線を、伸子もかえして、山上元を見た。