후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
もう、もとの隅っこへかえって納まろうとはせず、伸子はそろそろ帰り仕度しながらきいた。
「平民新聞には、女のひとで参加していたかたがあったんでしょうか」
「事務の方には女もいた、編輯にはなかったね」
山上元は、自分も立ったまま、伸子が外套をきるのを、年よりの三白の眼で見守った。
「文学の方ではどうかね、日本にも少しは見どころのある女が出るようになって来たかね」
「――『文芸戦線』だの『戦旗』だの、ごらんですか」
「『戦旗』は見ている」
「若いひとはああいうところから出かかっているんじゃないでしょうか」
「うん。そりゃ、そういう道理だ」
それから十五分たたないうちに、伸子は山上元の室を出た。そして、入口の受付けから旅券をかえしてもらい、トゥウェルスカヤをまっすぐ赤い広場の方へくだって行った。
ホテル・リュックスから出て、一、二丁の間、伸子は、我知らず亢奮した早足で歩いた。その足どりが、次第にしずまってゆるやかになった。山上元から、伸子は複雑な感銘をうけて出て来たのだった。彼が日本の社会主義運動の長老であるということ。各国のひろい運動の経験で長年鍛えられていること。