후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
「わるかったわねえ。――こんなお部屋しかなくて」
当惑したように云った。
「電報を拝見するとすぐ一つ二つ心当りをしらべたんですが、あいにくどこにも部屋がなくて」
磯崎は、永い間腕に抱かれて背をまるめていた子供を、ベッドの上へ柔かにおろしてやりながら云った。この箱のような部屋の中でも、子供の白い服を着せられている姿は、何か特別に伸子の目をひくのだった。
「この部屋も、実は、まだ人がいて見られなかったんです」
「これで結構ですよ――もし何なら追々考えりゃいいんだから――お手数かけました」
伸子も、
「ほんとに面白いことよ」
と、実感から云った。表側の窓からはモンパルナスの騒音と西日がつよくさし込んでいるが裏側の窓は暗く、何かの建物に密接している。伸子はパリでとまるはじめてのホテルがこういうところで、西日をうけて光る子供の白い服がそこでたった一つの美しいものであるような部屋であることに満足だった。浮いたら浮いたっぱなし、沈んだら沈みっぱなしという風なこの大きい都会で、意識をもって下積みから暮しだせるのは何といいことだろう。七月になると佐々の親たちが家族づれでここへ来る。