후리가나로 읽는 일본 고전
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どうひょう
道標
宮本 百合子
宮本 百合子의 道標(どうひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 846,457자 · 1672화면
須美子の、日本人ばなれのした輪廓の端正な若い顔の上を無言の苦しげなかげがすぎた。
「――でもこの節は、どこもですわ。マダムでさえこぼしますもの」
恭介たちの家の主婦は親切な寡婦で、二人の息子は郊外の工場へつとめているのだった。
数年このかたフランスはアメリカについで、ヨーロッパでは金保有量の最も多い国として、景気が安定し、ドイツのような失業はないし、ストライキもなかったのだそうだった。いまでも労働力は不足していて、ポーランドやベルギーから労働者をよんで来ているぐらいだけれども、労働賃銀が、暮しよいパリ時代のままだから、物価が世界のよその国なみにあがって来てしまうと、パリの市民の大部分は、ますます肉類ぬきの食物で生きてゆかなければならなくなって来ているのだった。
「ここでも、このごろは労働者の男や女が、賃銀値上げの要求を書いた札を立てて示威行進するようになりましたよ」
「そうお?」
伸子は、自分たちをあやしむように、
「どうしてだか、わたしたち、まだいっぺんもそういうデモンストラシオンに出会ったことがなくてよ」
と云った。
「そりゃそうでしょう」
おかしそうに恭介が笑った。